いらっしゃいませ。「菊や」でございます。
今日はご覧の通り、旬の菊を手に入れましてございます。中菊は「セイオペラベージュ」と申します。はい、淡いきれいなベージュでございますでしょ。
それになんとこんもりと美しく整った姿でございましょう。
小菊は「瑞穂」と申します。瑞穂といえば、みずみずしい稲穂のこと。日本の象徴でございますね。
こぶりですが、ほんとにたわわに実った小粒の菊でございます。
くねくねした枝物は、「ドラゴン柳」でございます。
私には「雲竜柳」と同じに見えるのでございますが、
ドラゴン柳のほうが、どうも「ワイルドだぜぇ」とでも申しましょうか、
雲竜柳より変化に富むそうでございます。
それから葉物でございますが、「レモンリーフ」と「ポドカルプス」でございます。
はい、レモンのカタチをした葉っぱがレモンリーフ。
「朝鮮槇」のようであって、朝鮮槇より少しソフトタッチの葉っぱがポドカルプスでございます。
あ、そうだ、朝鮮槇はマキと名に付いておりますが、イヌガヤ科で、
ポドカルプスはマキ科だそうでございます。ほほほ、ややこしゅうございますね。
さあ、今日のお料理でございます。
左手をご覧くださいませ。「菊とドラゴン柳の取り合わせ」の立ち姿と斜め姿でございます。
シンプルに素材の持ち味をなるべくそのまま生かしてみました。
あ、これは失礼、右手でございますが…
残り物のまかない料理のようなものでございまして、
お客様にお出しするのも憚れたのでございますが、
「葉っぱと小菊のとり合わせ」でございます。
ええ、私どものサービスでございますから、
どうぞ、よろしければお召し上がりくださいませ。
えっ、お客様、すべてがお気に召さない、と !?
確かに、私どもは家庭料理が基本でして、あまり格式ばったものはつくっておりませんものですから…
でも、少々お待ちくださいますか。今一度、つくり直してまいりますので。
改めて素材を確認いたします。
はい、右からレモンリーフ、次は短く切った菊の葉っぱ、
そして、中菊とポドカルプス、小菊、それから、後の伸び放題がドラゴン柳でございます。
では、今度はいかがでございましょうか。
少し格式ばってみました。
「菊とドラゴン柳の盛花風味」同じく「瓶花風味」、そして「茶花仕立て」2種でございます。
ほほほ、やはり素材は家庭料理で仕入れておりますから、少し無理がございますね。
それに写真の写し方にも問題があるようで…
あ、また、言い訳のあれこれ、失礼いたしました。
弘法ならざる故に筆を選ばんとしているようでございますね。お恥ずかしゅうございます。
さあ、お時間も経ちましたので、お口直しでございます。
下をご覧くださいませ。
左は、まだ元気なものを元気なうちにと思いまして、
「菊と葉っぱのアレンジメント仕立て」でございます。
それから、お土産を２つ、ご用意いたしました。
中は、艶やかな花をよそ様からちょうだいしましたので、早速、アレンジメントいたしまして
少し風流を気取り、ドラゴン柳をアクセントにしたものでございます。
そして右は、一番元気どころの「レモンリーフとドラゴン柳の乱れ合わせ」でございます。
ほら、よくご覧くださいまし、ドラゴン柳に若い緑の葉っぱが少し顔を出してございます。
お水を吸いましてね、
だんだんもっともっと葉っぱが賑やかになってまいりますよ。
白い根もぐんぐんとエイリアンのように…あ、これは失礼いたしました、
元気に伸びてまいることでございましょう。
ほんとにこのレモンリーフとドラゴン柳は、とても長持ちする素材でございますので、
どうぞ長らく常備食としてお楽しみいただければと思います。
今日はお忙しい中、お運びくださいまして本当にありがとうございました。
またのお越しを心よりお待ち申し上げております。
