花を落とした桜の木が青々とした葉っぱで覆われた。
葉桜。
自然の今を愛でればよい。ありのまんまの自然とともに生きればよい。
海水と泥をかぶり、幾多の生命の屍と数限りない人工物に埋もれた被災地にも
どうぞ自然の今が安らぎをもたらしますように。
Thanks much, mamma
母の日です。 お母さん、ありがとう。
まだ幼い4人の子どもを残して津波に飲まれた母親は、
どれだけの恐怖と理不尽と無念に慟哭しながら死んだのだろう。
やっと見つかった遺体の顔は、苦痛にゆがんでいた。
父親は子どもたちに見せるのを躊躇ったという。
ボランティアの女性納棺師が、
1時間かけて母親の顔をマッサージし、顔の強張りを解いた。
そして、写真を見ながら化粧を施し、いつもの母親の顔を蘇らせた。
母の優しい顔を胸に刻みながら子どもたちは別れができ、父親は喜んだという。
お母さん、ありがとう。
